「独自の編曲は権利侵害」指摘でCD出荷停止


なんだ,これ.信じられん.訴えるほうも訴えるほうなら,ミュージシャン側も情けない.会社側が法的には問題はない,と言ってるのに.
そういえば,昔テレビで誰かが(大勢だった)RCのカバーをやって,次に登場した清志郎が司会者から「どうでしたか?」と聞かれて,「あきれました」と答えていたのを思い出した.
カバーはひとつの解釈だから,この作曲家は自分の曲に対して批評するな,と言っているに等しい.他人に解釈されるのがいやなら,そもそも公開しなければいい.
スナック菓子食べながら寝転んで,マンガ読みながら聞こうが,それは聞き手の自由だ.「オレが心血注いでつくった曲をそんな態度で聴くな」とでも言うつもりなのだろうか.
公開されたものはその人の手を離れ,自由に解釈されて広まっていく.それがイヤならいろいろな解釈の余地をゆるさないような表現方法を取るしかない.しかし,音楽や文学等の表現においては,それは不可能だし,いろいろな解釈,楽しみ方をゆるすところにおもしろさもある.気に入らないのであれば,法的措置以外にいくらでもそれを表明する方法はあるはずだ.
ジョン・レノンの「イマジン」は彼の意図に反してピース・ソングとして流されているのかもしれない.しかし,それはスニーカーを製造した靴メーカーが,デモで歩くためにスニーカーをつくったわけではないのと同じだ.どのように使おうが,解釈しようがそれはわたしたちの自由だ.