家族の「
自衛隊撤退」要求に呼応するように、わずか二日間で約十五万人の署名が集められた。国会前では、組織的なデモが続いた。極めて政治的な、奇妙な光景が繰り広げられたのである。
しかし、国の政策変更を公然と求めたことへの批判に、家族が「
自衛隊撤退」を口にしなくなるや、こうした動きも、急速に沈静化した。
大ウソ.「解放される」というニュースが入ってきたら「沈静化」したのであって,家族が口にしなくなっても,私たちは撤退を要求して
首相官邸前に集まった.
民主党内には、今回の事件で、
イラク復興支援特別措置法に基づく「
非戦闘地域」ではなくなった、として、
自衛隊撤退に言及する向きもある。
事件は、犯行グループがまだ特定できず、日本人を狙ったのかどうか分からない。だが、
自衛隊の
イラク派遣と関係づける問題ではない。
政府や読売新聞にとっては,
イラクにおける治安悪化は
自衛隊駐留の理由を強めることにはなっても,撤退の理由にはならない.今回の--次回は違うかもしれない--派兵の目的は,とりあえず戦場に
自衛隊を置いておくことにあるのだから.戦争が終わってしまったら,
イラクにいる意味はなくなる.そしてその時,
イラクにおける復興が始まる.
自衛隊は
イラクにおける復興の始まりと入れ違いに戻ってくるだろう.それがどれくらい先のことになるのか,わたしにはまったく予想がつかないけれど.