[2邦人襲撃]「人質事件の特異さが際だつ」 (読売新聞29日付社説)


家族の「自衛隊撤退」要求に呼応するように、わずか二日間で約十五万人の署名が集められた。国会前では、組織的なデモが続いた。極めて政治的な、奇妙な光景が繰り広げられたのである。
しかし、国の政策変更を公然と求めたことへの批判に、家族が「自衛隊撤退」を口にしなくなるや、こうした動きも、急速に沈静化した。

大ウソ.「解放される」というニュースが入ってきたら「沈静化」したのであって,家族が口にしなくなっても,私たちは撤退を要求して首相官邸前に集まった.

民主党内には、今回の事件で、イラク復興支援特別措置法に基づく「非戦闘地域」ではなくなった、として、自衛隊撤退に言及する向きもある。
事件は、犯行グループがまだ特定できず、日本人を狙ったのかどうか分からない。だが、自衛隊イラク派遣と関係づける問題ではない。

政府や読売新聞にとっては,イラクにおける治安悪化は自衛隊駐留の理由を強めることにはなっても,撤退の理由にはならない.今回の--次回は違うかもしれない--派兵の目的は,とりあえず戦場に自衛隊を置いておくことにあるのだから.戦争が終わってしまったら,イラクにいる意味はなくなる.そしてその時,イラクにおける復興が始まる.自衛隊イラクにおける復興の始まりと入れ違いに戻ってくるだろう.それがどれくらい先のことになるのか,わたしにはまったく予想がつかないけれど.