拉致問題 融和策が裏目に出た

拉致事件は、北朝鮮の国家犯罪であり、被害者の原状回復−帰国を早急に実現する責任がある。政府は交渉に当たって、この基本を忘れてはいけない。


国家による犯罪(とみなされる行為)は山ほどある.しかし,それをはっきりと認め,謝罪した国は多くない.最近ではリビアが謝罪と補償を行っている.
ホワイトハウスはかつてどこかに謝罪したことがあるだろうか.原爆投下については,いまだに正しかったと言っている.また,金正日がどこかの国の閣僚(政治家)のように,「あれは拉致じゃなくて,働きに来たんだ」という発言をしたとも聞いていない.
「テロ支援国家」は犯罪行為として認め,謝罪(と補償)を行う一方で,「テロとの戦い」の総本山は認めず,謝罪も補償もしていない.
謝罪も賠償も行わない国と国交がもてるのならば,どうして北朝鮮と国交が持てないのだろう.
以前にも書いたけれど,「問題の完全な解決」など永久にありえない.だとすれば,まず国交を正常化し,その後少しでも「完全な解決」に近づけるように双方が努力すればいい.国交が開かれているほうが,解決に向けた取り組みも進みやすいと思う.
ロシア(ソ連)との間では北方領土問題が解決していないが,それでも国交は開かれている.「北方領土問題が解決していないのだから,ロシアと国交を断絶せよ」と言う人を,わたしは聞いたことがない.