避難生活でストレス深刻、求められる「心のケア」


長岡市の希望が丘コミュニティセンターに避難する女性(75)も「人の声が気になって眠れないが、電気も水道も止まった家に帰れない」と、ストレスはたまる一方だ。こうした状況を受け、新潟県精神科医臨床心理士らによる「こころのケアチーム」を編成。
おかしくないか?
この女性にとって必要なのは,人の声が気にならずに眠れる避難所,あるいは電気や水道の復旧だろう.
「こうした状況を受け」,人の声が気にならない避難所の建設や,電気,水道の復旧を急いでいる,というのならわかる.どうして「こころのケアチーム」の編成となるのだろう?
必要とされていることと,行政の対応がちぐはぐになっているとしか思えない.もっとも,行政の対応の悪さ(対応に対する不満)を,ひとりひとりの心の問題に解消する(これが「心のケア」の名のもとに行われること)という意味では行政にとっては適切なのかもしれない.
いわゆる「心のケア」に対する批判,および「臨床心理士」という一民間資格の利権まみれの状況については,以前にも紹介した「「心の専門家」はいらない (新書y)」,「心を商品化する社会―「心のケア」の危うさを問う (新書y)」がとても勉強になった.