発信箱:身勝手な国際基準 科学環境部・元村有希子

コンドリーザ・ライス国務長官は・・・懸案の牛肉問題についても「米国牛の安全性は科学的な国際基準を満たしている」と、経済摩擦まで持ち出して輸入再開を迫った。
二言目には「国際基準」を口にするが、一皮むけば「米国の希望」だろう。若い牛にBSE(牛海綿状脳症)の感染例が少ないのは事実だが、米国が満たしていると主張するのは、国際基準の最低線である。
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米国人も安全には敏感なはずだ。この2年で2度、米国を訪問したが、空港の審査はどんどん厳しくなる。指紋と虹彩の情報をとられ、乗客全員の靴も検査する。外国人の私はブラジャーのワイヤまで調べられた。
外国人に米国流の安全基準を強いるなら、輸入牛肉を疑う日本流の安全基準も理解できるだろう。入国審査の厳しさを「国際基準」と言うのであれば、日本も同じです、と返すだけのことだ。

読売新聞の社説と比較するといっそう痛快.