定年うつ:会社人間ほど危険です 心の準備し、社会的な役割みつけよう

定年退職をきっかけに、うつ症状が出る「定年うつ」が注目されている。仕事以外に楽しみの少ない「会社人間」だった人がなりやすく、最悪の場合、自殺に至ることもある。「定年うつ」をどのように防ぎ、・・・
仕事以外に楽しみを持つ時間もないほど長時間働かされる「会社人間」をつくらなければいいと思う.
たとえば,戦争で空から落とされる爆弾によって人が大勢死ぬのを防ぐためには,戦争を止めさせるしかない.その時に,戦争それ自体については一言も語らず,「爆弾に当たらないようにするためにはこうしろ,ああしろ」と説く人を,わたしは戦争に加担する人とみなす.
これと同じように,「会社人間」を作り出す長時間労働については一言も触れることなく,「うつ病にならないためにはこうしろ,ああしろ」と説く医学(医師)は,その原因を隠蔽することに加担している.
原因を隠蔽するだけではない.
防ぐための方策を個人の行動に求めることは,防げなかった場合の責任をその個人に負わすことにつながる.つまり,「仕事以外に楽しみを持てずに会社人間になったおまえ」,「定年前から心の準備ができなかったおまえ」,「人間関係を作れなかったおまえ」,そして「自分が存在する社会的な役割を持てなかったおまえが悪いのだ」と.