「郵政民営化で350兆円が米国に奪い取られる」というデマ

以前にも書いたように,選挙の争点は郵政民営化だけではないと考えるが,このブログは人気があるようなので(こうして民営化について書くことが,「相手の戦略に乗ってしまうことになるのでは?」という批判はありうるかもしれないけれど).
9日付のエントリーでは,小泉首相の書いたものを引用していわゆる「ムダ遣い論」を展開している.ところが,この12日付のエントリーでは「・・・厳密に言えば郵政民営化の基本方針にある通り「郵貯簡保の340兆円の運用に際しては、安全性を重視する」と書いてあり、基本的に国債で運用される見通しなので・・・」と書かれている.
つまり,民営化されようがされまいが,国債を買い支えるという行動は変わらない,したがって「ムダ遣い」を支えるという構図には変化がないということ.
こうなるとさらに矛盾が出てきてしまう.「このままムダ遣いを続ければ財政は破綻する」と言いつつ,同時に「国債で運用されるから安心だ」と言っているわけで,このふたつの主張は両立しない.