防犯カメラ、歌舞伎町で効果…全国商店街で導入の動き

同庁による違法風俗店や不法滞在外国人の摘発強化もあって、01年に1865件あった歌舞伎町の刑法犯認知件数(発生件数)は、05年には約2割減の1513件に減少。
2001年が1865件,2005年が1513件であるから,たしかに歌舞伎町では約2割(18.9%)減少している.
それでは日本全体の状況はどうなっているのだろうか.
警察庁のデータによれば,この4年間で認知件数は歌舞伎町とほぼ同じ16.7%減少している*1.つまり減少しているのは監視カメラを設置した歌舞伎町だけではない.おまけに歌舞伎町では「摘発強化」が行われているのだから,監視カメラの効果ははっきりしない.
なお,以前にも書いたことであるが,犯人の姿が監視カメラに映っていたことは,監視カメラが「防犯カメラ」としては機能していないことを示している.
ついでにもうひとつ.記事中に「刑法犯認知件数(発生件数)」と書かれているが,発生件数は犯人が警察に自己申告でもしない限り,把握できるはずがない.認知件数と発生件数は全くの別物である.

*1:2005年の1月から12月までのデータはまだ公表されていない(1月から11月までのデータは公表されている).そこで,2004年のデータを使って,1月から11月までの1ヶ月平均に対する12月の認知件数の倍率を求め,それを2005年のデータに当てはめて2005年1年間の認知件数を推定した.