なくそう・減らそう糖尿病

厚生労働省の「糖尿病実態調査」(02年度)では、糖尿病患者は約740万人、予備群は880万人と推計された。計1620万人で、成人の23%に達する。97年度実施の前回調査に比べ約2割増で、急激な増加が浮き彫りになった。
97年から2002年の間に,日本で生活している人が「急激に」甘いもの好きになり,運動不足になったのだろうか?最近も公務員の飲酒運転が「急激に」増えているようだから,そうなっていたとしても不思議はないが.
答えは,99年の糖尿病基準の改定である(google:糖尿病 新しい基準).
これは例えて言えば,昨日は身長をセンチメートルで測り,今日はインチで測って「身長が半分以下になった.大変だ」と言っているのと同じである.基準を変更した前後の数値をそのまま比較したデータに,データとしての意味はあまりない.ただ,「こんなに増えてるから大変だ」という脅しに使えることは確かだ.
実は99年には,高血圧の基準(google:高血圧 新しい基準]),そして肥満の基準([google:肥満 新しい基準)も改定されている.もちろん,「病人」が増加する方向に,である.
基準を改定する際には「医学研究の進展」が口実として使われる.改定によって「病人」が増加するのであるから,端的に言って,医学の「進歩」は「病人」の増加である.これは当然だろう.なぜなら,「進歩」によってお客さんである「病人」が減ってしまったのでは,医療サービス業が衰退してしまうからだ.新たな顧客の開拓がその産業にとって必要であることは,業種による違いがない.
こうして,基準の改定によって「病人」を増やす一方で,同時に「病人が増えて大変だ」「対策を」と言っている医学は,まさに「マッチポンプ」である.そして,基準の変更(既存商品のモデルチェンジ)だけでは「病人」の増加には限界があるから,新商品の開発にも余念がない.最近のヒット商品としては,メタボリックシンドロームがあげられるだろう.
最後にもうひとつ.
「症状が出てからでは遅い」というのはお決まりの脅し文句であるが,これは「病気になったら,医者は治せない」の言い換えである.