051002メモ

企業にとっての損失がめぐりめぐって労働者にとっての損失になる、という考え方をしない人間はあまりに不誠実だ。労働という行為に対して。
そうだとすると,たとえば残業に対して賃金を支払うことは企業にとっての損失で,それは結局労働者にとっての損失になるから支払わない方がよいということになりますが,どうでしょうか?有給休暇も,おやつ休憩も同じです(つまりこの話は「末節の部分で」喫煙とはあまり関係がありません).
そして,働かせた分に対して賃金を支払わないのは,「あまりに不誠実だ.労働という行為に対して」と,わたしは思います.
もちろん,わたしは企業にとっての利益とそこで働く労働者の利益が同じ方向でつながっていることを真っ向から否定するわけではありません.
Gekkaさん(でいいのでしょうか?)が書かれた後にわたしが2日に書いたものを読んでいただければわかると思いますし,繰り返しになりますが,わたしが問題にしているのは「健康第一!何が何でも健康!」と言っている人たちが,同時に「経済的利益があがるのならいい」という主張をしていることを批判しているのです.それは,経済的利益を追求することと健康とは対立する部分があるからです.
わたし自身はタバコを吸うことからもわかるように,反喫煙派のように「とにかく健康!」などという考えは持っていませんが,過労死(過労自殺)を引き起こすほどの労働は問題だと思います.そして,同時に経済的利益を追求することも大事なことだと考えています.問題はそのバランスです.そのバランスが崩れてしまったのが,反喫煙派が絶賛してやまない「禁煙先進国」であり,同時に「経済大国」「健康貧国」となっている今の米国でしょう.
それから,わたしは政治家として政策を考えているわけではありません.国民に受け入れられる政策を考える場合には「既存のフレームをある程度受容した上での言論」が必要かもしれませんが,わたしは違います.「タバコと肺がん(健康)」という「既存のフレーム」それ自体が,わたしにとっての批判の対象です.